sanaritxt’s blog

思考をぽつぽつ置いておくところです。

文フリ東京に、SF小説で参加します。お試し4章と、全体まとめ。1F【D-11】Sanarix Studio『2oh-2o39』

こんばんは。まだ夜なんですよ。

 

今までの更新で、11月23日(水・祝)文フリ東京(東京流通センター)E展示場1階エリア【D-11】で頒布する小説、『2oh-2o39』の、1章から3章までの試し読みを公開し、ご紹介して参りました。

 

今日は、4章の最序盤を掲載してから、全体のあらすじと、大まかに本書がどのような本か、すこしネタも織り交ぜて書いていこうと思います。

どうぞ最後まで、お読み頂けますように。

続きを読む

お試し 3章 「重い水密扉を目指して」 2/5 小説『2oH-2o39』

こんにちは。第三章の試読をアップします。

これまでお読み頂いているだけでも、すごく嬉しいです。

どうか、文フリの会場で購入していただけますように。

本書が、本書を読む人にとってよい読書時間や体験の一つになってくれたら、と願っています。

 

小説『2oH-2o39』

 

 サンプル

 第三章

 

 重い水密扉を目指して  3/5  新秩序 2024~2033 

続きを読む

お試し 2章 迷いと祈りの間 3/5 サンプル タイトル『2oH-2o39』

 みなさんこんにちは。文フリ東京まであと少し、ですね。

今までここに、試し読みを三章まで公開していたのですが、原稿を書き直しましたので、再度掲載します。

SFって、人の生き方と日常をちゃんと書くことが大事だと思っています。

日常の描写と心の動きをしっかりと書くことで、突拍子もない技術や社会の変化でも違和感なく読んでもらえるのではないか、と思っています。

 

 

小説タイトル『2oH-2o39』(つーおーえいち‐つーおーみっく)

 

  第二章

 

   迷いと祈りの間  3/5 サンプル 2017~ある二人暮らし

続きを読む

お試し1章 街角の喫茶店へ 1/5 タイトル『2oH-2o39』

 

f:id:sanaritxt:20161116174558j:plain

 小説タイトル『2oH-2o39』(つーおーえいち‐つーおーみっく)

第一章

 

 街角の喫茶店へ サンプル 1/5 過去を回想~2004年春まで

続きを読む

文フリ東京 秋に参加します。スペースD−11 短編風長編SF小説『2oH-2o39』

こんばんは。お久しぶりです。

 

さて、11月23日(水)祝

東京流通センタービルで開催される文フリ東京(一次創作文藝同人誌即売会)に参加します。

場所は、モノレールに乗ってるとだいたい通過する流通センター駅を降りてすぐのところにあるビルです。

 

私のスペースは D-11 です。

1Fの真ん中なので、見つけやすいと思います。

 

私が不在にするのは、他の本を買いに行っている時と食事や休憩の時です。

それ以外は多分いますから、遊びに来てくれたらものすごく喜びます!

 

ずっと話しててくれてもいいぐらい、人が来ないと思いますので……。

 

できるだけ、ツイッターに動きを告知しますので、

アカウント、 @TxtSana をフォローしてみてください。

そこそこ幸せになれた気がしますよ、きっと。

 

取り置きなどございましたら、その旨ご連絡頂けますと、とても助かります。

 

頒布するのは、先日の大阪と同様、

 

短編集のように読める長編SF小説『2oH-2o39』(つーおーえいちはいふんつーおーみっく)です。

 

※追記 改良版行けそうです! 

 

架空の2000年代初頭から始まり、架空の2030年代後半までを連作短編の形で収録した、全4章です。

最終章以外は、どれを先に読んでも大丈夫なように記してあります。

ちょっとした時間の合間に、読んで頂けたら嬉しいです。

 

 

 

あとで、SFって難しくないし、そもそも文藝に上も下もないです、ってことを書こうと思います。

 

これから次々と、サンプルと解説も掲載してしていきますので、どうか楽しみにしていてください!

 

一歌談欒vol.2 短歌読み企画 中澤系

目に見えるもの。耳に聞こえるもの。

外側から自分のなかに入ってくるものは、自分の内面と同化してしまう。

 

繰り返して過ぎてはまた来る日々に疲弊する。自分らしくあることはできないことすらも、自分らしく認識してしまう。

 

繰り返し、朝起きて、周囲と同化して、駅へ行く。

それぞれの、まあ似たような人の中に紛れる。周囲には、幸せそうなときの自分や、今の自分のような人もいて、同じように重なるのに、それぞれわかり合うことはできない。

そうして毎日、駅のホームには、自分のような、たくさんの他人で充ちている。箱詰めにされて、また戻ってくるために。

 

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって

 

中澤系『中澤系歌集uta0001.txt』より

 

 

ホームにはいつものとおり、よく通る鼻声のアナウンスが流れて、自分の外側から流れ込んできて同化する。

 

ホームに立つ人々は、それぞれが無関心に俯いている。手元の端末を見ていたり、ただ下を向いて半眼でいる。どこかで知り合い同士なのか、喋っている人がいるぐらいで、足音や鼻をすする音以外には、衣摺れやバッグを持ち上げる音が響いている。

自分を含めて、みんなが勝手に、何を考えているのかわからない。何を考えているのかわからないようにしていることを共有して、他人に無関心になることが難しい距離で、ホームに並ぶ。誰の耳にも、同じアナウンスが入っている。

 

快速は、間も無く轟音とともに流れ込んで来る。もしもホームに転落したら、とても助からない。一瞬で、自分の存在を打ち消してしまうのだ。

もう考えなくて済む。繰り返さなくて済むことは、もしかすると、楽になることなのかも知れない。だけれどそれは、秩序と約束を崩し、そう考える主体も消滅させてしまう、してはいけない行動だ。

 

忙しくしていると、そんなことを考えなくても済む。だけれど電車を待つ時間は、繰り返される日々の中でも、特にスポットのようにぽっかりと人を閉じ込めて、考える時間とあやふやなストレスを生む。

 

そうして、消えてしまいたくなる。

 

快速が通過するアナウンスを合図に、すこし、ゆらりと上体が傾いて戻る。

局面を描くホームを横目に、幾人かが同じように、迷っているように見えた。

 

まるで、そんなことがないように、楽しそうに話しながら数人が、ホームを歩いて来る。

アナウンスに何を思うこともなく、線からはみ出して。

あぶないよ。

 

理解できない人は下がって。

 

uta0001.txt―中澤系歌集

uta0001.txt―中澤系歌集

 

 

文学フリマ大阪 ありがとうございました!20160918

こんにちは、すっかり秋ですね。

 

文学フリマ大阪への出店を終えました。

この度はお越し頂き、ありがとうございました!

 

自分の書いた本を買いに来てくれる人がいる、という体験は、すごいですよ……。

ありがとうございます!

長い年月をかけて、繰り返し読み返すときに、新しい発見や詠み方ができるように作りましたので、どうぞお楽しみ下さいね。

 

販売ブースまでお越し頂いて、笑顔で、自分の書いた本を欲しいと言って頂いたことに驚くと共に、とても嬉しく思いました。

 

今回の本は、人と環境の変遷、時間が経過していく中での、人それぞれの存在とは何か、自分とは何か、と思い悩みながら生きてくことををテーマに書いたものです。

試し読みで、それを感じ取って購入して頂けたことを知りました。

幸せです。

 

 宜しければ、少しで大丈夫ですので、感想を頂けましたら、とても励みになります。

メールかツイッターでお寄せ下さい。

 

読んでくれた人が喜んでくれて、読んでくれる人が広がって行ったらいいな、と思っています。

 

 

そして今回は、ブースの両隣の方にも大変恵まれました。

またどこかでお会いできますように。

 

会場の行き帰りで、親しくして頂いたサークルの方も、

どうぞお元気で。

 

 

イベント直前の大変な時にも関わらず、私の宣伝ツイートをRTして頂いたり、いいねを押して頂いた方にも、とてもとても感謝しています。 

ありがとうございます。

 

本編のできた経緯や解説については、別の記事に記します。