300字短編「消せないほくろ」(オリジナル)
今回も「Tw300字SS」さま(@Tw300ss)の短編ショートショート掲載企画に参加します。
第三十回のお題は「飾る」です。場所、人、物、心、言葉等、「飾る・飾られる」光景を作品にして下さい。詳しい概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って3/4日21時~24時に #Twitter300字ss のタグをつけて投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2017年2月26日
午前9時までならぎりぎり間に合うかも知れない、ですが、遅れました。
欄外かも知れませんね。次は時間を守れたらいいな。
第30回。お題は「飾る 飾られる」でした。ざっと300文字以内。
ここから本編です。
「消せないほくろ」
私は今日も、鎖骨の下に一つほくろを描く。
最初は偶然だった。小学生の頃にペンを逆に持っていて、たまたまここに一つ点を打ってしまった。痛かった。
そのことはすぐに忘れたけれど、大人になってとても嫌なことがあって、もう立ち直れないと思ったときに、ペンを持って夢中で、そこに点を描いた。幸せだった頃に戻れるような気がして。
今一緒にいる優しい人は、私の鎖骨の下にはほくろがあると思っている。長い時間一緒に過ごしたら、深い関係を結んだら、この飾りのほくろは消えて、今の幸せも消えてしまうかも知れない。
その怖さから、私は今日も早い時間に帰る。その人は優しいから、笑顔でそれを許してくれる。
二人とも飾っていて、苦しい。
@TxtSana
#Twitter300字ss
お読みいただきありがとうございました!
今まで書いた短編をまとめたい気分になってきました。冊子にしたい、わからないけど、需要があったら嬉しいです。