文フリ東京 秋に参加します。スペースD−11 短編風長編SF小説『2oH-2o39』
こんばんは。お久しぶりです。
さて、11月23日(水)祝
東京流通センタービルで開催される文フリ東京(一次創作文藝同人誌即売会)に参加します。
場所は、モノレールに乗ってるとだいたい通過する流通センター駅を降りてすぐのところにあるビルです。
私のスペースは D-11 です。
1Fの真ん中なので、見つけやすいと思います。
私が不在にするのは、他の本を買いに行っている時と食事や休憩の時です。
それ以外は多分いますから、遊びに来てくれたらものすごく喜びます!
ずっと話しててくれてもいいぐらい、人が来ないと思いますので……。
できるだけ、ツイッターに動きを告知しますので、
アカウント、 @TxtSana をフォローしてみてください。
そこそこ幸せになれた気がしますよ、きっと。
取り置きなどございましたら、その旨ご連絡頂けますと、とても助かります。
頒布するのは、先日の大阪と同様、
短編集のように読める長編SF小説『2oH-2o39』(つーおーえいちはいふんつーおーみっく)です。
※追記 改良版行けそうです!
架空の2000年代初頭から始まり、架空の2030年代後半までを連作短編の形で収録した、全4章です。
最終章以外は、どれを先に読んでも大丈夫なように記してあります。
ちょっとした時間の合間に、読んで頂けたら嬉しいです。
あとで、SFって難しくないし、そもそも文藝に上も下もないです、ってことを書こうと思います。
これから次々と、サンプルと解説も掲載してしていきますので、どうか楽しみにしていてください!
一歌談欒vol.2 短歌読み企画 中澤系
目に見えるもの。耳に聞こえるもの。
外側から自分のなかに入ってくるものは、自分の内面と同化してしまう。
繰り返して過ぎてはまた来る日々に疲弊する。自分らしくあることはできないことすらも、自分らしく認識してしまう。
繰り返し、朝起きて、周囲と同化して、駅へ行く。
それぞれの、まあ似たような人の中に紛れる。周囲には、幸せそうなときの自分や、今の自分のような人もいて、同じように重なるのに、それぞれわかり合うことはできない。
そうして毎日、駅のホームには、自分のような、たくさんの他人で充ちている。箱詰めにされて、また戻ってくるために。
3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって
中澤系『中澤系歌集uta0001.txt』より
ホームにはいつものとおり、よく通る鼻声のアナウンスが流れて、自分の外側から流れ込んできて同化する。
ホームに立つ人々は、それぞれが無関心に俯いている。手元の端末を見ていたり、ただ下を向いて半眼でいる。どこかで知り合い同士なのか、喋っている人がいるぐらいで、足音や鼻をすする音以外には、衣摺れやバッグを持ち上げる音が響いている。
自分を含めて、みんなが勝手に、何を考えているのかわからない。何を考えているのかわからないようにしていることを共有して、他人に無関心になることが難しい距離で、ホームに並ぶ。誰の耳にも、同じアナウンスが入っている。
快速は、間も無く轟音とともに流れ込んで来る。もしもホームに転落したら、とても助からない。一瞬で、自分の存在を打ち消してしまうのだ。
もう考えなくて済む。繰り返さなくて済むことは、もしかすると、楽になることなのかも知れない。だけれどそれは、秩序と約束を崩し、そう考える主体も消滅させてしまう、してはいけない行動だ。
忙しくしていると、そんなことを考えなくても済む。だけれど電車を待つ時間は、繰り返される日々の中でも、特にスポットのようにぽっかりと人を閉じ込めて、考える時間とあやふやなストレスを生む。
そうして、消えてしまいたくなる。
快速が通過するアナウンスを合図に、すこし、ゆらりと上体が傾いて戻る。
局面を描くホームを横目に、幾人かが同じように、迷っているように見えた。
まるで、そんなことがないように、楽しそうに話しながら数人が、ホームを歩いて来る。
アナウンスに何を思うこともなく、線からはみ出して。
あぶないよ。
理解できない人は下がって。
文学フリマ大阪 ありがとうございました!20160918
こんにちは、すっかり秋ですね。
文学フリマ大阪への出店を終えました。
この度はお越し頂き、ありがとうございました!
自分の書いた本を買いに来てくれる人がいる、という体験は、すごいですよ……。
ありがとうございます!
長い年月をかけて、繰り返し読み返すときに、新しい発見や詠み方ができるように作りましたので、どうぞお楽しみ下さいね。
販売ブースまでお越し頂いて、笑顔で、自分の書いた本を欲しいと言って頂いたことに驚くと共に、とても嬉しく思いました。
今回の本は、人と環境の変遷、時間が経過していく中での、人それぞれの存在とは何か、自分とは何か、と思い悩みながら生きてくことををテーマに書いたものです。
試し読みで、それを感じ取って購入して頂けたことを知りました。
幸せです。
宜しければ、少しで大丈夫ですので、感想を頂けましたら、とても励みになります。
メールかツイッターでお寄せ下さい。
読んでくれた人が喜んでくれて、読んでくれる人が広がって行ったらいいな、と思っています。
そして今回は、ブースの両隣の方にも大変恵まれました。
またどこかでお会いできますように。
会場の行き帰りで、親しくして頂いたサークルの方も、
どうぞお元気で。
イベント直前の大変な時にも関わらず、私の宣伝ツイートをRTして頂いたり、いいねを押して頂いた方にも、とてもとても感謝しています。
ありがとうございます。
本編のできた経緯や解説については、別の記事に記します。
文フリ大阪で頒布する小説のご案内 スペースD-17
こんにちは、タイトルどおりの内容です。
スペース【D-17】にて、小説【2oH-2o39】を頒布します。
オムニバス短編と見せかけておいて、全4章入っています。
架空の現代ぐらいから、架空の未来それぞれの暮らしの内容です。
よろしくお願いします。
頁数は確か102です。もしかしたら104です。
600円ということになりました。
部数はそんなにないです。びっくりするぐらい少ないです。
本書を読んだ人同士での、
コミュニケーションが広がればいいなと思って書いたのですが、
そんなにたくさん部数を印刷できるものではないですね。
ひとまず、文庫サイズにしたので、持ちやすいと思います。
ぐっと握れます。本棚に立てて差し込むのにも良いですよ。
通称「青い本」です。
次は暖かい色の本が書きたいなとか、
物語としての出来とか、キャラクター性の強さとか、
そういうのも書いてみたいなと思いました。
ジャンルが変わっても、作ろうと思うモチベーションは、
元の本が評価されて得る部分が多いので、どうかなあとは思っています。
台風が来そうですが、どうしましょうか。
外にカレー屋さんとドーナツ屋さんの屋台があるんじゃないかと思うんですが、
大変だなあと思います。
両方行きたいと思っていたのですが、そういえば、
イベントで出ている食事のお店に、行ったことがなかったなとか、
そういうことを思いました。
文字や文章についての雑感20160725
まだ小さな頃、周囲にあるいろいろなものの彩りを強く感じるような夏に、好奇心から山へ分け入って迷子になったことがある。最初は獣道なのか雨水の通り道なのかわからない道を進んでいたのだけれど、途中にある倒木を乗り越えた先の細いみちのようなものを進み、自身の腰ほどの高さまで伸びた雑草を踏み分けて分けて行きふっと疲れて、振り返ると道がなくなっていた。
少し戻ってみたのだけれど、足場が悪くて何度も転びそうになった。一歩、一歩と踏みしめることができる場所を選びながら戻っていたはずだけれど、なかなか道が現れない。
そうして疲れきった頃に、うろたえることの不利を感じて腰かけた丸くて一抱えもある大きさの石に、思いもかけず文字のような窪みが刻まれていた。
見回すと同じような大きさの石があちらこちらに埋もれていて、苔に覆われて正体のわからないものもあったけれど、地蔵の形が浮かぶもの、それから、漢字らしきもの、それはかつてここに人がいた痕跡と思われて、わたしの心を落ち着かせてくれた。
このようにして、私は文字や文章を好きになる。それは、人の生きたことを伝えて、残して、示すものである。それは、それを記した者が朽ち消えた後も残ることがある。そしてそれに思いを馳せるひと、読み取ろうとする人がいる限りは、軌跡としてあり続ける。それは錯誤でもある。不思議なことだと思う。